第１０回：不動産相続でよくある３大トラブル

B子おかえり。お葬式大変だったね。

オレも、だんだん弱ってく親のこと考えると気が重くなるわ😔

うちはマジで大変だった。

そもそも遺産相続で揉めるのってこんなにある。

そうそう。高齢化もあって、所有者不明の土地は増え続けているからな。
具体的には「相続開始および所有権を取得したと知った日から3年以内に登記すること」と、遺産分割協議が3年以上の長期に及んだ場合でも「遺産分割が決定されてから3年以内に登記する」とされたんだ。

2024年4月1日以降から適用なんだけど、24年4月以前に相続した不動産についてもすべての案件で相続登記が義務化されたんだ。つまり24年4月以降になると、以前に相続した土地や建物についても3年以内に相続登記を済まさなければならなくなる。

所有者不明の土地問題って、相続がつみ重なって所有権がどんどん分散化して、さらに細分化されて、最終的に誰がどのくらいの権利を持っているのか全容がつかめなくなってしまうんだ。
たとえば、道路を拡幅する、新設するとき土地買収でその土地を誰が持っているかわからなくて工事が進まない。土砂崩れで修復工事を行おうにも本当の所有者が不明だから、その土地の関係者全員の同意が取れない。すでに社会問題としては大きなものになってるからな。

ざっくり言うと、トラブルで多いのがこの３パターンだと思う。
うちは親族で均等に割れないのと、相続税の問題で結局売ったんだけどね。

そうそう。その構造を当事者の時系列で説明したほうがわかりやすいかな。やることが多くて、てんやわんやになる。葬儀費用の立替えだってバカにならないぞ。

それもあるけど、親の生前に死後の事は話しにくかったな。ウチはまだらにボケはいってたってのもあってさ。コミュニケーションが微妙でね。

親族でいろんな考えがあったんだけど、結局は相続税を払うためにマンションを売るってことになった。

いろいろな要素があるからケースバイケースだね。
だから仕事でおつきあいのある税理士さんに相談した方がいい。
検索しても「何が正しいかわからない」でしょ。

基本的な流れは４つのフェーズに分かれる。

まだまだ先は長いんだ。遺産って言っても「負の遺産」もあるから不動産が負動産になってる場合もある。だから親族で納得して合意できるかなんだ。それぞれ立場も考え方もちがうからね。

だから相続が発生したときは、まずは全体の把握が大事なんだよね。相続が発生した場合、10カ月以内に相続税を納付しなければならないからさ。

ポイントは
（１）相続人や相続財産を確認
（２）遺産分割協議で遺産の分け方を決める
（３）相続財産の名義変更
（４）相続税の申告・納付をするこの４つのフェースの（１）相続人や相続財産を確認　が一番大変で大事なんだ。

そのうえで、（２）遺産分割協議で遺産の分け方を決める　ココが山の頂上と言っても良い。

まず、この流れを把握したうえで、税理士や弁護士に相談するといい。この流れを把握しないで突っ走ってもロスが多いからね。

節税の方法とかの知識も大事だけど、まずこの流れが把握できている事が大事だと思ったよ。

そうそう。だから、不動産屋ってのはお客さんの人生につながる大事なシゴトなんだと思う。俺も自分で相続をやって改めて感じたよ。

いろいろあって疲れたんだね。寝かせておいてあげよう。