投資用マンションを所有している方の中には、現金化や買い替えなどのさまざまな目的で売却を検討している方もいることでしょう。
投資用マンションを売却する際は不動産の専門家である不動産会社に仲介を依頼しますが、不動産会社であればどこでも良いというわけではありません。不動産会社によって結果に差が生じるため、慎重に不動産会社を選ぶことが大切です。
この記事では、投資用マンション売却に強い不動産会社を選ぶ際の注意点、おすすめ大手・専門の売却仲介会社、一括査定利用時の注意点などについて解説します。投資用マンション売却を検討している方は、是非参考にしてください。
投資用マンション売却に強い不動産会社を選ぶ際の注意点
投資用マンションの売却を依頼する不動産会社は、どこでも良いというわけではありません。依頼した不動産会社によって成約までの時間や価格に差が生じるため、投資用マンション売却を成功させるためにも、不動産会社選びを慎重に行うことが大切です。
不動産会社を選ぶ際の注意点として、以下の4つが挙げられます。
- 大手は両手仲介、専任囲い込みに注意
- 仲介手数料の設定と不動産会社の質は比例しない
- 売却実績を確認する
- 担当者との相性を確認する
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
大手は両手仲介、専任囲い込みに注意
両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うことです。不動産会社は売主と買主の両方から仲介手数料を得られるため、一方からしか仲介手数料を得られない片手仲介よりも、1回の取引で大きな利益を得られる両手仲介を優先する傾向があります。
専任囲い込みとは、不動産会社が両手仲介を優先するために仲介中の不動産物件を他社に取り扱わせないことです。
売主の利益よりも両手仲介による自社の利益を優先する大手仲介会社も少なくありません。両手仲介の優先が原因で不利な条件で成約させられる、専任囲い込みが原因で成約機会を妨げられる可能性があるので注意してください。
仲介手数料の設定と不動産会社の質は比例しない
不動産会社が売主や買主に請求できる仲介手数料については、宅地建物取引業法に上限が定められています。そのため、不動産会社によって仲介手数料の設定が異なります。
仲介手数料の設定と不動産会社の質が比例していて、設定が高いほうが対応の質が良いと考えている方もいるかもしれませんが、そうとは限りません。仲介手数料の設定が安くても対応の質が良い不動産会社もいれば、高くても対応の質が悪い不動産会社もいます。
仲介手数料の設定差は、不動産会社の質を判断する材料にはならないので注意しましょう。
売却実績を確認する
不動産会社の質の良さを判断する際に重要なのが売却実績です。いくら大手仲介会社でも売却実績が少ない仲介会社の場合には、営業力が低い仲介会社の可能性があります。また、両手仲介を優先していて成約機会を妨げている可能性もあるでしょう。
売却実績は依頼者の信頼の証です。売却実績が高い水準を維持している、年々右肩上がりに推移している仲介会社は、依頼者からの信頼が実績につながっているといえます。
そのため、仲介会社を選ぶ際は売却実績が豊富なのか、年々右肩上がりに推移しているか確認しておきましょう。
担当者との相性を確認する
投資用マンションの売却を担当するのは、不動産会社に勤務している担当者です。そのため、不動産会社の質の良さだけでなく、担当者との相性を確認することも重要です。
不動産会社の質が良くても、担当者が提案力に欠ける、レスポンスが遅い場合は好条件での成約が期待できません。
投資用マンション売却を成功させるためにも、担当者の実績、提案力の高さ、レスポンスの早さなどを事前に確認しておきましょう。
不動産会社を選ぶポイントは、以下の記事でも紹介しているので参考にしてください。
大手の不動産会社は接客対応の良さ、実績が豊富という点で優れています。しかし、大手の不動産会社は自社で買い手を見つける両手仲介が中心となるため、仲介を依頼したものの成約までに時間がかかることも少なくありません。
また、両手仲介による成約を優先することで成約価格が査定結果よりも安くなり、結果的に手残りが少なくなることも多々あります。
大手の不動産会社に仲介を依頼する際は、上記のようなメリットがある一方、デメリットを伴うことも十分理解した上で依頼しましょう。
大手の不動産会社でおすすめの6社をピックアップしました。
三井のリハウス
三井のリハウスは、累積取扱件数100万件以上、顧客満足度96%、3ヶ月以内の売却成約率75%と売却実績豊富・評価が高い・速やかな成約が期待できる不動産会社です。AI査定で簡単に最新の不動産価格を把握できる点も魅力です。
東急リバブル
東急リバブルは、独自の買主分析や売出価格の目安などを確認できる売主専用のページを用意し、売主のサポートが充実しているのが強みの不動産会社です。全国80,000棟以上のマンションデータを公開しており、購入希望者に円滑にアプローチできる点も魅力です。
住友不動産販売
住友不動産販売は、全国234店舗の直営ネットワーク、豊富な顧客ストックという営業力の高さが強みの不動産会社です。安心・安全に取引できる売却サポートが充実しているという点も魅力です。
野村不動産ソリューションズ
野村不動産ソリューションズは、取引満足度94.6%、営業担当者満足度95.6%と利用者の満足度が高い不動産会社です。アライアンスパートナーとも連携したチーム体制によって売主のあらゆるニーズにワンストップで応えられる点が魅力です。
大京穴吹不動産
大京穴吹不動産は、ライオンズマンションやサーパスマンションなどを供給しており、全国No.1の約34万戸の供給実績を誇る不動産会社です。該当エリアのほか、新築マンションの購入検討者などへのアプローチによって高い成約率が期待できる点が魅力です。
オークラヤ住宅
オークラヤ住宅は、2022年に設立40周年を迎え、累計契約件数実績11万件以上の老舗の不動産会社です。専門チームが高く、円滑に、安心して売却を進められるように多彩な売却サポートを行っているのが魅力です。
本当のおすすめは専門の売却仲介会社
専門の売却仲介会社とは、投資用不動産の売却を専門とする仲介会社のことです。一般的な不動産会社は居住用不動産や土地などの売却をメインとしており、投資用不動産の売却を専門としていません。
専門の売却仲介会社であれば、独自のネットワークを駆使することによって、早くかつ高く売却できる可能性が高まります。そのため、投資用マンションの売却を検討している方には専門の売却仲介会社に仲介を依頼することをおすすめします。
専門の売却仲介会社でおすすめの3社をピックアップしました。
ランドネット
ランドネットは、全国1万件超えの取引実績と独自データベースを活用することによって即時査定・即日現金化が可能な不動産会社です。物件種別、居住状況を問わず、全国各地・売却困難といわれる不動産も取り扱っているのが魅力です。
オメガエステート
オメガエステートは、2006年の創業から13年で7,500件(2015年には年間700件突破)を超える物件取引を達成している不動産会社です。東京23区を中心に全国各地の取引に対応しており、特にマンションの売却に強いのが魅力です。
パートナーズ
パートナーズは、クラウドファンディングといった不動産業界における新たな取り組みを積極的に手掛ける不動産会社です。年間1,300件超の成約実績、1万件もの投資物件情報を活かして、早く・高く・安心な売却が期待できるのが魅力です。
一括査定利用における注意点
SUUMO、LIFULL、HOME4Uなどでは「一括査定サービス」を提供しています。一括査定とは、物件情報を一度登録するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼できるサービスです。
不動産会社によって査定結果が異なるため、正しい売出価格を把握する、高く売ってくれる不動産会社を見つけるには、複数の不動産会社の査定結果を比較することが欠かせません。
一括査定であれば、効率良く複数社に査定を依頼できるのでとても便利ですが、利用時には以下の点に注意が必要です。
- しつこい営業を受ける可能性がある
- 査定価格が正しいか判断しにくい
最後に、一括査定利用時の注意点を詳しく見ていきましょう。
しつこい営業を受ける可能性がある
一括査定を利用する際、複数の不動産会社に机上査定という簡易的な査定を依頼し、その後現地確認を伴う訪問査定を依頼する不動産会社を絞るのが一般的な流れです。簡易査定の段階では不動産会社から営業を受けることはないと思っている方もいるかもしれませんが、契約を勝ち取るためにしつこい営業を行う不動産会社も少なくありません。
例えば、「入力いただいた情報だけでは不足しているので電話で詳細を確認したく連絡した」「今ちょうど物件を探している方がいるので詳細を確認したく連絡した」といった理由で売主と接点を持とうとします。
最低限の個人情報しか不動産会社に提供しない匿名査定以外は、基本的にしつこい営業を受ける可能性があることを理解した上で利用しましょう。
査定価格が正しいか判断しにくい
複数の不動産会社に査定を依頼した際、査定結果の高い不動産会社に仲介を依頼したいと考える方が多いのではないでしょうか。しかし、査定結果は成約が期待できる価格であって、成約が保証されているわけではありません。そのため、査定結果の高い不動産会社でも高く売れるとは限らない点に注意してください。
不動産会社の中には、仲介の依頼を勝ち取るために、他の不動産会社よりも高い査定結果を提示するところもあります。根拠のない査定結果なので、成約する可能性は低く、最終的に売出価格を下げて買い手を探すことになる可能性が高いでしょう。
売主が不動産会社が提示した査定結果が正しいのか判断することは容易ではありません。査定結果だけでなく、売却実績や担当者の相性なども踏まえながら判断しましょう。
まとめ
投資用マンションを売却するにあたって、不動産会社選びに悩んでいる方も多いでしょう。「大手の不動産会社であれば大丈夫」と考えている方もいるかもしれませんが、両手仲介や専任囲い込みなどで成約まで時間がかかる、不利な条件で成約する恐れがあるので注意が必要です。
接客対応の良さや売却実績などの点で大手の不動産会社は安心できますが、スムーズかつ高く売るには、投資用不動産の売却を専門とする売却仲介会社をおすすめします。
不動産会社によって強みが違うため、各社の違いをよく理解してから依頼しましょう。